相続が発生し、亡くなった方の財産が基礎控除を超えている場合、財産を取得する相続人は相続税の計算と申告の手続きを行う必要があります。
相続税の計算をするために、財産を一覧にしてそれぞれの財産を評価する必要があります。財産は預貯金や株式、不動産だけでなく借入金や会社などに貸し付けている貸付金の金額等も含まれると相続税法で定められています。経済的に価値があるものは基本的に相続財産として評価する必要があります。
では、貸した後に、回収不能となった貸付金はどのように扱えばよいのでしょうか。当記事では回収不能となった貸付金の取り扱いについて解説します。
貸付金の取り扱い
貸付金とは他人や法人に貸しているお金のことです。同族会社に貸し付けているケースも多くあります。貸付金がある場合は債権の価額と利息が相続財産として加算されます。
貸付金と利息は被相続人にとって支払ってもらう権利があり、相続人もその権利を引き継ぐからです。
貸付金の取り扱いについては財産評価基本通達204に概要が記載されています。
回収不能となった貸付金の取り扱い
貸付金がある場合も、貸し付けている債務者である法人が、お金を貸した後に経営不振によりいわゆる倒産や破綻している状態になっている場合など、債務の回収不能となった部分については財産評価基本通達205にて、課税の対象となる相続財産の算入しなくていいことが明記されています。
回収不能となる判断の基準も記されており、手形交換所で取引停止処分を受けた時や、民事再生法の規定による、再生手続き開始の決定があった時、破産の宣告があった場合は、回収不能の貸付金と判断されると財産評価基本通達で定められています。
上記のような状態になっていない場合でも債務超過に陥っている場合など、客観的に回収不能と見込まれる場合は、回収不能と判断される場合もあります。
ただし、事業が赤字となっており、請求したものの返済してもらえないという事実があっても、一律回収の見込みがないと判断されるわけではありません。現時点では経営に問題があり返済ができなくても将来、財務が改善して弁済できるようになる可能性もあるからです。
金額や貸し付けた時期なども勘案して状況を総合的に判断する形となります。そのため、事情により認められないケースも多くあります。また、認められる場合も貸付金の元本すべてではなく、一部が回収不可能と認められる可能性もあります。
特に貸し付けている人がオーナーの場合など同族会社に貸し付けている場合は回収が困難な場合も注意が必要です。同族会社が事業がうまくいっておらず経営難であり、著しく債務超過であっても結果的に租税回避行為として認められない可能性もあります。
相続税の申告は税理士に相談を
被相続人の財産が基礎控除を超える場合、相続税の申告が必要です。遺産分割の協議をしながら、相続税の申告をすることは簡単ではありません。
相続税の申告をする際は財産を全部確認の上、合計して、複雑な計算を行い、支払うべき税金を算出する必要があります。国税庁のサイトなどで計算方法は記載されていますが、今回解説したような、貸付金など、財産の内容が複雑な場合、自分で行うことは簡単ではありません。
財産を受ける者は金融機関の調査や資産の確認、相続税の計算は、被相続人の死亡から原則10か月と短い期間で完了させる必要があります。期限である10ヶ月以上経過すると、特例が使えなくなるなど、デメリットも多くあります。
自分で相続税の申告が難しい場合は、最新の情報を持ち、税務の専門家である税理士に依頼することをおすすめします。税理士に依頼することで、該当する特例の確認や財産の評価額の確認もお任せすることができます。誤った申告をすると税務調査で重大な誤りが指摘され、実際に多額の加算税を課されるケースもあります。
また、事前にご相談いただくことで、課税される額を事前に確認し、節税の対策を検討することも可能です。
広島相続税相談テラスでは、知識と実務経験が豊富な税理士が多数在籍しており、相続手続きにお困りの方の手続きのお手伝いをしています。初回のご相談は無料で対応しておりますので、ぜひお気軽にお電話やメール等でご連絡ください。