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相続税や贈与税には連帯納付義務がある

2024年12月08日

相続や贈与により現金や不動産等の財産を取得し、一定の金額を超えていた場合、相続税や贈与税を納付する必要があります。納税義務がある者が督促を受けたにも関わらず、納付を行わなかった場合、連帯納付義務により、他の人に請求に行くケースがあります。

当記事では相続税や贈与税の連帯納付義務について解説します。

連帯納付義務とは

相続税・贈与税の連帯納付義務はいずれも相続税法第34条に規定されています。それぞれの連帯納付義務について確認しておきましょう。

相続税の連帯納付義務

被相続人の課税の対象となる財産が基礎控除を超えている場合、相続税は相続が発生した翌日から10ヶ月以内に申告をする必要があります。相続税は複数いる場合がありますので、取得した財産に応じて相続人がそれぞれ負担します。

相続税の連帯納付義務は相続や遺贈によって納付する義務のある人のうち誰か一人でも納付を怠った場合に生じます。アクセスの良い場所の不動産などを相続し、現金が足りず相続税を払えない者がいた場合、税務署はまず本人に督促を行いますが、それでも払わなかった場合税務署から民法で定められている法定相続人に通知を行います。

別の相続人が本来の相続人に代わって相続税の支払いをした場合でも、滞納した税額に応じて利子税や延納した分の延滞税がかかります。利子税や延滞税は本人が納税する必要があり、期間が長くなると、負担も相当大きくなってしまいます。

また、他の相続人が他の相続人の責任において支払うべき相続税を納税した場合、本来支払うべき相続人に対し支払った税金の分を返済してもらう求償権が生じます。求償権を履行しなかった場合、代わりに支払った税金の部分が贈与税の対象となってしまった事例もあります。是縁覚を代わりに負担した場合は、求償権を行使しないと大きな税負担になる場合がありますので注意しましょう。

贈与税の連帯納付義務

次に贈与税の連帯納付義務について確認しておきましょう。贈与税の連帯納付義務については相続税法第34条4項に記載されています。

贈与税にも連帯納付義務がありますが、贈与において連帯納付義務者となるのは贈与を行った者となります。贈与を受けた者が取得した財産が110万円を超える場合、贈与税の申告が必要となります。

当該贈与において、贈与を受けた者が贈与税の支払いを怠った場合、贈与をした者が当該贈与に係る分のみ連帯納付義務を負うことになります。複数の人から贈与を受けていた場合についても自分が贈与した分が限度となり、他の人が贈与した分については対応する必要はありません。また、贈与を受けた人の家族など関係が深い人も連帯納付義務を負うことはありません。

不明点は税理士に相談を

相続税や贈与税の制度は複雑です。相続が発生するとまずは金融資産や不動産などすべての財産の評価を行い、一覧にしたうえで相続税の計算を行う必要があります。

誤った情報を持って申告を行った場合、税金を必要以上に多く払いすぎてしまう例もあります。また誤った申告を行った場合税務調査で指摘され問題となる可能性もあります。

相続税の期限は原則、死亡の翌日から10ヶ月以内と短く、迅速に対応する必要がありますので、申告にあたって不明点がある場合は申告書を提出する前に税理士に相談する方がよいでしょう。税理士事務所・税理士法人の多くは無料で相談に応じているケースが多いので、まずは電話やメールなどで問い合わせてみることをおすすめします。

広島相続税相談テラスでは、様々な税金に関するお悩みを解決することができますので、ぜひ広島相続税相談テラスにお気軽にご相談ください。

 

筆者情報

氏名:山根 謙二 (やまね けんじ)

資格:税理士(税理士登録番号92527号)
   行政書士(行政書士登録番号18342346号)
   相続手続カウンセラ-

専門分野:相続税、事業承継

出身:広島県廿日市市

趣味:ゴルフ、旅行(海の綺麗な所)

お客様に一言:相続の事なら何でもご相談下さい