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有価証券を相続した場合の評価額の計算方法は?

2023年06月10日

財産を相続するとすべての財産を評価し、基礎控除を超える場合は、相続税の申告・納付を行う必要があります。今回は株式など有価証券などの評価額の計算方法について解説します。

上場株式の評価方法

上場株式は以下の方法で評価を行い、最も低い価額を課税対象の財産の評価額とします。

①課税時期の月の最終価格の平均額
②課税時期の前月の最終価格の平均額
③課税時期の前々月の最終価格の平均額

上場株式は毎日、市場で取引されています。公社債は毎日の変動は大きくありませんが、株価は時期によって大きく変動します。平均的な価格を参考とするために上記のような、終値の平均値をとるような評価方法となっています。

非上場株式の計算方法

非上場の株式については複雑な計算が必要となります。非上場株式でも会社の規模によって計算方法が異なり、大会社の場合は原則、類似業種比準方式で計算します。類似業種比準方式とは類似業種の価格を参考に配当金額、利益金額、純資産価額の3っつの値を参考に計算する方法です。

小会社については純資産価額方式によって評価を行います。純資産価額方式とは会社の総資産や負債を相続税の評価に洗い替えて総資産から負債を差し引いて算出する方法です。

中会社については大会社と小会社の評価方法を併用して評価を行います。

有価証券を保有する場合の生前の相続対策

有価証券を保有している場合の生前の相続税対策としては、生前の贈与が有効です。贈与税は贈与時点の価格で評価されますので、贈与後に値上がりが期待できる資産は先に贈与しておくことで、次の世代に財産を移転することが可能です。相続時精算課税制度を使うことで、2,500万円まで一括贈与を行うことも可能です。相続時精算課税制度も贈与時点の評価で相続財産に加算されますので、値上がりする可能性が高い有価証券の贈与は効果的です。

また、証券会社で多数の銘柄を保有してる場合、手続きが大変ですし、誰が何を相続するか検討することも困難ですので、不要なものについては、手続きしやすくするために生前に徐々に売却しておくことを検討してもよいでしょう。保有する銘柄が多いと、資産を分散できるというメリットはありますが、相続時の手続きが大変になるというデメリットがありますので、財産を受け取る相続人の負担も考慮して、検討しておく必要があります。

自身で事業を行っており、その会社の株主となっている場合はしっかりと後継者に引き継ぐことが重要です。円滑に事業承継を行うために、相続人同士の関係も考慮して、遺言書を作成して分割の方法を決めておくなど、しっかりとした対策を行うことをおすすめします。

相続税の相談は税理士に相談を

相続税の評価は複雑です。また、被相続人の死亡から申告まで10ヶ月と期間も短く、家族が亡くなってからは、何かと忙しいのですぐに対応する必要があります。自分で申告することが難しい場合は、専門家である税理士に相談して進めるようにしましょう。

相続税について計算する際は相続財産の全体像を把握することが重要です。税理士に相談する際は、取得する予定の資産の内容や預貯金、投資信託、株式などは金額をわかる範囲で持っていくとスムーズに相談することができます。土地や建物など不動産の価額などが分からない場合は固定資産税の納税通知書を持っていきましょう。場所と固定資産税評価額が分かれば、計算することが可能です。

財産の内容がわかれば、相続財産の一覧の表を作成することができます。財産の一覧と相続人の情報があれば、特例の利用可否や配分など、次の検討に移ることが可能です。

申告を依頼する場合は費用がかかりますが、初回の相談は無料で応じてくれるケースもありますので、遺産分割や相続税の申告について相談してみるとよいでしょう。税理士のサポートを受けることで、実際に税務署から税務調査を受けても安心して対応することが可能です。

広島相続税相談テラスでは、相続税で困っている・遺産分割に悩んでいる・生前贈与を検討しているあなたをサポートします。
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筆者情報

氏名:山根 謙二 (やまね けんじ)

資格:税理士(税理士登録番号92527号)
   行政書士(行政書士登録番号18342346号)
   相続手続カウンセラ-

専門分野:相続税、事業承継

出身:広島県廿日市市

趣味:ゴルフ、旅行(海の綺麗な所)

お客様に一言:相続の事なら何でもご相談下さい