相続時精算課税制度のデメリットとして注意しておくべきポイント

自分が築いてきた財産を子供や孫に贈りたいと考えた際に利用されているのが、生前贈与です。生前贈与にはいくつかの方法がありますが、相続時精算課税制度に注目している方もいるでしょう。

2,500万円までであれば贈与税がかからないメリットが注目されがちであるものの、デメリットもあります。

そこで「相続時精算課税制度の具体的なデメリットが知りたい」と考えている方のため、注意しなければならないポイントについてまとめました。この記事を読むことによって、自分には本当に向いているのか、損をする可能性はないのかなどが理解できるようになります。

相続時精算課税制度のデメリット

相続時精算課税制度を利用するにあたり、おさえておかなければならないデメリットがあります。詳細について解説します。

①暦年贈与が使えなくなる

相続時精算課税制度を活用した場合、暦年贈与(暦年課税制度)は利用できなくなります

暦年贈与とは、110万円までが非課税となり、その後については贈与額によって累進課税される贈与の仕組みです。自分にとってはどちらを選んだほうがよいのか、慎重に判断していくことが必要になります。また、途中で変更はできません。

相続時精算課税制度を利用して贈与を受けた場合には、相続発生時にその贈与で受けた金額を相続財産に加算し相続税の計算を行いますが、暦年課税制度による贈与は、原則、相続財産に加算する必要がありません。一般的に節税の観点からは、暦年課税制度の方が有利となります。

なお、相続時精算課税制度は、贈与者ごとに選択することが出来るため、例えば父からの贈与は相続時精算課税制度、母からの贈与は暦年贈与を選択するなどの形は可能です。

②小規模宅地等の特例が利用できない

金額が大きくなる自宅や事業用物件に相続時精算課税制度を活用しようとしている方もいるでしょう。しかし、その場合、相続で取得した場合には、土地の評価の際に最大80%まで評価を下げることが出来る小規模宅地等の特例が適用出来なくなります

③財産の時価が低下したら余分な税金を払うことになる

もし、将来的に財産の時価が下がってしまうようなことがあれば、税負担が増えることになってしまいます。相続時精算課税制度は、相続が発生した場合には、贈与された財産を相続財産に加算し相続税の計算を行うことになりますが、この加算する金額が贈与をした時点の価格となるため相続税が高くなるのです。

将来、土地の価格が上がるか下がるかは分かりませんので慎重に判断する必要があります

④他の相続人の相続税負担が大きくなる

相続時精算課税制度によって、他の相続人の負担が大きくなってしまうのもデメリットです。これは、相続時精算課税制度で贈与した財産は相続税の対象になってしまうからです。

相続税の計算は、相続時精算課税制度で贈与された財産も相続財産に加算して計算するため、相続税の総額が増加し、贈与を受けていない他の相続人の税負担も増えてしまうのです。

⑤税制改正で不利益が出る可能性がある

現時点で相続時精算課税制度を利用するのがお得だったとしても、将来的にどうなるかはわかりません。今後、税制改正が行われ、場合によっては不利益に繋がってしまう可能性もあります。

例えば、現在に比べて、相続税が大幅に増えてしまった場合はどうなるでしょうか。相続時精算課税制度で贈与したものは相続税の対象になるため、将来的なことまで考えて検討しなければなりません。

前述したように、一度相続時精算課税制度を選択すると取り消しは不可能です。状況が変化したらそれに合わせて考え直すなどの対応はできないので注意が必要です。

慎重に検討しなければ失敗する恐れも

いかがでしたでしょうか?今回は、相続時精算課税制度について注意すべきデメリットをまとめました。中には利用したほうが得をする方もいるのですが、慎重に検討が必要です。相続時精算課税制度による贈与を検討する際には税理士に相談しましょう。

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筆者情報

氏名:山根 謙二 (やまね けんじ)
資格:税理士(税理士登録番号92527号)
行政書士(行政書士登録番号18342346号)
相続手続カウンセラ-
専門分野:相続税、事業承継
出身:広島県廿日市市
趣味:ゴルフ、旅行(海の綺麗な所)
お客様に一言:相続の事なら何でもご相談下さい

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