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代襲相続とは?相続人が増えると基礎控除も増える?

2024年12月17日

相続が発生すると相続人で遺産を分ける必要があります。相続人とは民法で定められた法定相続人のことですが、被相続人との関係によって決まります。

しかし、本来法定相続人となる人が被相続人より先に亡くなっているケースもあります。このような場合、法定相続人はどのように代わっていくのでしょうか。当記事では、代襲相続が発生した場合の相続人の関係と基礎控除について解説します。

代襲相続とは

代襲相続とは被相続人よりも先に相続人が亡くなっている場合や相続欠格・相続廃除により相続権を失った場合に、相続人の子が代わりに相続する制度です。代襲相続が発生するのは子どもと兄弟姉妹が相続人となるケースです。

子どもが先に亡くなっており、その子(被相続人から見ると孫)がいる場合は、相続人である子どもの代わりに相続人となり、財産を相続する権利と遺留分を引き継ぎます。2代飛ばしの孫の子までは代襲相続は発生しません。子どもが存命で孫などに遺言で財産を遺贈するケースでは相続税の2割加算の対象となりますが、代襲相続の場合は2割加算の対象外です。

子どもがおらず兄弟姉妹が相続人となる場合も代襲相続となるケースがあります。兄弟姉妹が亡くなっている場合は甥・姪が代襲相続で相続人となります。兄弟姉妹には遺留分がありませんので、甥・姪にも遺留分はありません。また、甥・姪の子が代襲相続で相続人となることはありません。

また、本来の相続人が実子ではなく、養子縁組により子どもとなった場合では、その子(孫)が養子の手続きの後に生まれた子どもであれば法律上の親族関係とみなされるため代襲相続人となります。

基礎控除・法定相続割合の計算方法

基礎控除とは相続税の計算を行う際に財産から控除できる金額のことで3,000万円+法定相続人×600万円で計算を行います。プラスの財産から借金などマイナスの財産を差し引いた財産の総額が基礎控除を超える場合は相続税の申告が必要となりますが基礎控除以下であれば非課税であり申告も必要ありません。

代襲相続の発生により、相続人の人数が増えるケースがあります。例えば、子どもが亡くなっており、その子(孫)が2人いる場合は、相続人が1人増え、3人から4人になりますので、基礎控除の計算でも1人分を増やすことになり、基礎控除の額があがります。

民法で定められている法定相続割合については本来子どもが相続するはずの法定相続分をその子ども(孫)が均等に配分します。例えば、配偶者と子どもが二人いる場合、子どもの法定相続割合は4分の1になりますので、その子(孫)が2人いる場合の法定相続割合は8分の1となります。

代襲相続が発生した際の注意点

代襲相続が発生した際にはどのような点に注意をすればよいのでしょうか。対策もあわせて解説します。

財産配分に時間がかかる

代襲相続が発生したことで孫や甥・姪などが相続人となり、通常よりも相続人の数が増えることや相続人同士の関係が希薄になってしまい、全員が相続放棄をしない時は誰が何を相続するか決めていく必要があるため遺産分割協議の話し合いや財産配分の手続きが煩雑となり時間がかかることが多くあります。

相続税の申告が必要な場合、10ヶ月以内に財産の配分と相続税の計算も完了させる必要があり、時間がありません。生前に準備をすることができるのであれば、財産の一覧を作成し、遺言書を作成することで相続発生後、トラブルにならずに財産配分をすることができるでしょう。

また、遺言書に基づいて代わりに手続きができる執行者を指定しておくことで、相続人の数が多い場合でもスムーズに手続きをすることができます。執行者には法定相続人の中から先に話しておき指定しておくこともできますし、法律事務所などに業務として依頼することも可能です。

若い相続人が財産を得ることになる

代襲相続により、孫等が相続権を得る場合、放棄をしなければかなり若い時期に多額の財産を得ることになるケースも多くあります。場合によっては不動産を相続することになるケースもあり、管理が必要となる可能性もあります。成人年齢の引き下げにより、18歳から自分で財産を処分する権利も有し、両親のサポートが無く不安に思うケースも多いでしょう。

また、財産を相続する者は納税義務者となりますので、不動産を多く引き継ぐ場合は現金が足りず納税資金不足となる可能性もあります。納税資金不足となった場合、若い相続人では自分の財産で支払うことは難しいでしょう。そのため、事前に遺言書を作成するか遺産分割協議の際にどれくらいの税負担がかかるかも考慮して誰が何を相続するか決める必要があります。また、生命保険や生前贈与で納税資金を確保するという手段もあります。

不明点は税理士に確認を

相続が発生すると期限がない中で様々な対応を行う必要があります。特に相続税の申告は被相続人の死亡の翌日から10ヶ月以内と期限も短く、制度も複雑です。相続財産の評価をするために不動産の評価も行う必要があり、専門的な知識が無い方には簡単なことではありません。万が一誤った申告をした場合、税務調査で指摘される可能性があり、指摘された場合は申告書の再作成や加算税を課される可能性もありますのでしっかりと内容を確認して提出する必要があります。

特例の活用や税金の計算についてお悩みがある場合は専門家である税理士に相談するようにしましょう。税理士に依頼することで費用はかかりますが、特例をしっかりと適用し、実際に納税する税額を下げられるメリットもあります。料金については税理士によって異なりますので、事前に確認しておくと安心です。資産の内容によって報酬が決まる税理士も多いので、資産の内容をお伝えするとよいでしょう。

多くの税理士法人・税理士事務所が、初回の相談を無料で受け付けています。ご自身の財産の状況や家族の状況を説明して頂ければプロして適切なアドバイスをすることが可能です。まずは電話やメールなどで気軽に連絡してみるとよいでしょう。

広島相続税相談テラスは遺産相続の実績が豊富で多くの事例を取り扱っていることを強みとしています。相続税についてお困りのことがある場合は、しっかりとサポートいたしますので、ぜひ広島相続税相談テラスにご相談ください。

筆者情報

氏名:山根 謙二 (やまね けんじ)

資格:税理士(税理士登録番号92527号)
   行政書士(行政書士登録番号18342346号)
   相続手続カウンセラ-

専門分野:相続税、事業承継

出身:広島県廿日市市

趣味:ゴルフ、旅行(海の綺麗な所)

お客様に一言:相続の事なら何でもご相談下さい