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美術品や骨董品の相続税評価の方法は?

2023年11月23日

被相続人の相続財産が基礎控除の金額(3,000万円+法定相続人×600万円)を超える場合は、相続発生から10ヵ月以内に相続人が相続税を納税する義務があります。財産には預貯金、投資信託、株式、生命保険などの金融資産や土地・建物などの不動産が代表的な資産ですが、中には美術品や骨董品などの動産を保有している場合もあるでしょう。動産も金や美術品など高価なものは課税対象となりますので、申告漏れにならないように注意が必要ですが、どのように評価をしていいかわからないという悩みを抱えている方も多いでしょう。

当記事では美術品や骨董品などを保有している場合の相続税評価の方法について紹介します。

美術品・骨董品などの評価方法

美術品や骨董品などを販売用として保有している場合は確定申告を行う際の帳簿の価格で評価を行いますが、自宅で観賞用として保有している場合、評価額を調査することが難しいと感じる方も多いでしょう。美術品・骨董品などの具体的な方法についてポイントを解説していきます。

類似品がある場合

類似品がある場合、類似品の時価を参考に評価を行います。絵画であれば、同じ画家の、同時期の作品がどれくらいの金額で売買されているかをインターネットの各種サイトなどで情報を確認してみるとよいでしょう。一般的に買い取り価格が5万円以下の美術品・骨董品であれば、1点ずつ評価せず家財一式に含めてまとめて申告されることが多いです。

類似品がない場合

類似品がない場合は、専門家に鑑定を依頼する必要があります。特に価値が高いものについては、美術品や骨董品の価格に精通している専門の買い取り業者等に鑑定を依頼して評価額を確認するようにしましょう。

数百万円の価値が出る高額なものについては適切な評価をして申告しないと、財産を隠しているとみなされて税務署に指摘される可能性もありますので注意しましょう。

美術品・骨董品を承継する場合の注意点や対策

美術品や骨董品を所有している場合どのような対策を行えばよいのでしょうか。注意点や生前に行っておくべき具体的な対策について解説します。

事前に価値を把握しておく

美術品や骨董品を承継する場合、相続する者が困るのが評価です。被相続人が亡くなってから、入手した経路や購入した時の額、作者等もわからない場合は、査定をするほど価値があるものかどうかも分からないし、そもそも存在を知らないという事例も多いので、相続人に遺産の内容を先にしっかりと知らせておくことが大切です。財産を受ける家族に知識がある人がおらず、しっかりと価値が把握できていないと、重要な文化財に登録されているような貴重なものをしっかりとした管理がされないという問題も起こりやすくなります。

また、対象となる財産の課税価格の評価をする際に美術品や骨董品の評価に精通している人を探すことも大変です。特に数が多い場合は美術品・骨董品の評価だけで労力も大きくなります。そのため、美術品・骨董品が複数ある場合は、評価額を書いた一覧表を作成しておくなど、きちんとした対策を行い、相続した人が扱いに困らないようにしましょう。

誰に遺すかを決めておく

相続人の人数が多い場合、生前に遺言を作成し、財産を誰に遺すか、遺産分割の方法を事前に決めておくことで、遺産相続で美術品・骨董品を受ける人が事前に準備をすることができます。また、相続人間のトラブルを回避することにもつながります。

美術品や骨董品は管理を行うことも大変ですので、誰が相続するかを遺言に記載してあらかじめ定めておいた方がよいでしょう。遺言書は自分で作成することもできますが、法律上有効な遺言とするために、作成方法が分からない場合、司法書士や税理士、弁護士などに依頼することも可能です。

価値の高い美術品や骨董品が多数ある場合は税額も多く払う必要がありますので、資金も併せて遺すように書いておく必要があります。結果的に美術品や骨董品を引き継ぐ相続人以外の人には、遺留分も渡せることができず、相続放棄をしてもらう必要が出てくるなど、平等に財産を遺すことが難しい実例もあります。

相続人の中にふさわしい人がいない場合は、相続人の負担とならないように生前にふさわしい人に贈与や売却したり、美術館やNPO法人などに寄付したりすることや遺贈することをを検討してみてもよいでしょう。ただし、高額な美術品を生前贈与すると贈与税がかかりますので注意が必要です。

申告が難しい場合は税理士に相談を

相続税の申告における課税制度や計算方法は非常に複雑です。被相続人が死亡した後、原則10ヵ月と短い期間で遺産分割の協議や相続税の申告を完了させる必要があります。申告を初めて相続手続きをする人は早めに着手した方がよいでしょう。

また、相続発生後は年金事務所の手続きや不動産の登記など手続きがたくさんあります。仕事で平日しか時間をとれない人は手続きがなかなか進まないケースもあるでしょう。

特に美術品や骨董品を保有しているケースでは、通常の申告流れだけでなく、鑑定などの対応も加わるため、どれくらいの税金がかかるかを把握するまで時間がかかる場合が多く、簡単ではありません。

相続税の申告を期限内に自分で行うことが難しい状況の場合は税理士事務所に相談し、資産の評価や申告の手続きのサポートを依頼することをおすすめします。初回の相談はサービスで無料で応じているケースも多いのでまずは気軽に相談し、見積もりを依頼してみるとよいでしょう。

税理士に依頼することで、費用はかかるというデメリットはありますが、特例や控除の利用などのアドバイスをしてくれますので、節税につながるというメリットもありますし、期限内に間違えなく申告してもらえますので、税務調査が入っても安心です。税理士に依頼する場合は、業務として相続税の申告実績が豊富な税理士事務所に依頼するとよいでしょう。

まずは、お気軽に電話などで相談の予約をし、状況を説明してから、準備する書類を確認してから面談した方がスムーズです。

筆者情報

氏名:山根 謙二 (やまね けんじ)

資格:税理士(税理士登録番号92527号)
   行政書士(行政書士登録番号18342346号)
   相続手続カウンセラ-

専門分野:相続税、事業承継

出身:広島県廿日市市

趣味:ゴルフ、旅行(海の綺麗な所)

お客様に一言:相続の事なら何でもご相談下さい