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投資信託の相続税評価額|種類別の評価方法

2022年01月30日

相続財産の中に投資信託が含まれる場合、相続税評価の金額を算出しなければなりません。評価方法を間違えると、相続税を正しく算出できないため注意しましょう。

投資信託の評価方法は種類で異なります。したがって、種類の理解から始めなければいけません。

この記事では、投資信託の概要と種類、種類別の評価方法を紹介しています。ここで解説する内容を参考にすれば、正しく評価できるようになるはずです。
投資信託の相続税評価額でお困りの方は確認しておきましょう。

投資信託とは

投資信託は金融商品のひとつです。
具体的には、投資家から集めた資金をひとつの基金にまとめて、その基金を用のプロが株式や債券、不動産などに分散投資し、それぞれから得た利益を投資額に応じて各投資家に分配する仕組みの金融商品を指します。

投資対象は、商品ごとに定められた運用指針に基づき、経済情勢を考慮して専門家が決定し、随時取引を行います。そのため、株などの証券投資が気軽にできる投資商品として人気があります。近年では対面の販売だけでなく、ロボアドバイザーなどによるおすすめのファンドを選定するサービスも行われていますので、投資にあまり詳しくない人にとっては魅力的な商品といえるでしょう。

1万円など少額からスタートできる点は魅力ですが、元本を保証している金融商品ではありません。

投資信託の種類

投資信託は次に挙げる種類に分かれます。

  • 日々決算型投資信託:毎日、決済する投資信託。代表例として中期国債ファンド、MRF、MMFなどが挙げられる
  • 上場投資信託(ETF・J-REIT):上場している投資信託
  • 上記以外の投資信託:どちらにも該当しない投資信託

詳しい分類は、金融機関で確認するとよいでしょう。

それでは、投資信託の相続税評価額は、どのように計算するのでしょうか。

投資信託の相続税評価方法

投資信託は被相続人が亡くなった時の評価を基に相続税評価を行います。投資信託は株価の値動きや日本以外の国に投資をしているものでは為替レートによっても変動があります。

相続税評価額を求める方法は、種類により異なる評価を行います

具体的な計算方法は次の通りです。

日々決算型投資信託

日々決算型投資信託の評価方法は次の通りです。

1口当たりの基準価格×口数×再投資していない未収分配金(1)-(1)の源泉徴収される所得税相当額-信託財産留保額・解約手数料

基準価格は通常1円/口です。基本的には、1円×口数になると考えてよいでしょう。口数は残高証明書で確認できます。未収分配金などは証券会社へ確認しなければいけません。

上場投資信託

上場投資信託は、上場株式に準じて評価をおこないます。

具体的には、以下に挙げるものの中で最も低い価額となります。

  • 相続発生日における終値
  • 相続発生日が属する月の毎日の終値の平均
  • 相続発生日が属する月の前月における毎日の終値の平均
  • 相続発生日が属する月の前々月における毎日の終値の平均

上記以外の投資信託

相続発生時における1口当たりの基準価格×口数-相続発生時に解約請求などしたときに源泉徴収される所得税相当額-信託財産留保額・解約手数料

基準価格、受益証券の口数は残高証明書で確認できます。残高証明書をもとに、1口当たりの基準価格を算出します。他の項目は、証券会社へ確認しなければいけません。

評価で悩むときは税理士に相談

いかがでしたでしょうか?投資信託の相続税評価額に関して解説しました。以上を見てわかる通り、評価方法は非常に複雑です。相続税算出のもとになるため、慎重に計算しましょう。わからない場合は、税理士に相談してみてはいかがでしょうか。

相続税の評価を行う際はまずは財産の一覧を作成することが重要です。預貯金、有価証券、土地・建物などの不動産、金などの現物資産を一覧にしてひとつずつ評価を行っていくと良いでしょう。

ただし、一般の方は財産評価の知識がある方は少ないと思いますので、一覧を作ることは簡単ではありません。評価が難しいと感じた際や判断に迷う場合には、保有する財産に関する資料を持って税理士に相談するようにしましょう。

また、相続税の税額は対策を行うかどうかによっても、相続人が負担する額は大きく異なります。贈与税の特例を適用することで相続税額を大きく下げられる可能性もあります。資産の状況や家族関係にも対応して対策を行う必要があります。

また、財産配分を明確にしておきたい場合は遺言を作成することが重要です。遺言書がないと遺産分割の協議を行うことになりますが、主張が強い相続人が多くの取り分をとることも多くあります。相続人が複数いる場合は、分割の方針を定めておき、遺言書を作成しておくとよいでしょう。

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筆者情報

氏名:山根 謙二 (やまね けんじ)

資格:税理士(税理士登録番号92527号)
   行政書士(行政書士登録番号18342346号)
   相続手続カウンセラ-

専門分野:相続税、事業承継

出身:広島県廿日市市

趣味:ゴルフ、旅行(海の綺麗な所)

お客様に一言:相続の事なら何でもご相談下さい