相続税に影響を与える小規模宅地等の特例の対象・要件・減額割合

小規模宅地等の特例は知っているけど、自分がその対象になるかわからない…と疑問を抱いていませんか。

この特例は、宅地(以下、土地)の評価額を減額することで相続税を抑えて土地や事業を引き継ぎやすくするものです。適切に活用すれば税額を抑えられますが、すべての土地・相続人が適用できるわけではありません。

この記事では、同特例の対象になる土地と相続人の要件、各土地における限度面積と減額割合などを解説しています。さらに、具体的な事例をもとに、どれくらいの評価減を受けられるかも紹介しています。この記事の情報を参考にすれば、全体像をつかめるはずです。
土地を相続してお困りの方などは、参考にしてください。

小規模宅地等の特例を受けることのできる土地と適用要件

同制度の対象になる土地は、以下の4種類に分類されます。それぞれの概要と適用要件を説明します。

特定事業用宅地

相続が始まる直前まで被相続人などが事業を行っていた土地で、一定の要件を満たす被相続人の親族が相続などで取得したものです。ただし、以下の3事業を行っていた土地と相続が始まる前の3年以内に新規事業(一定規模以上の事業は除く)を始めた土地は除きます。

【3事業】

  • 賃貸アパートなどを含む不動産貸付業
  • 自転車駐輪場業(準事業を含む)
  • 貸駐車場などを含む駐車場業

「準事業」とは、事業と称するに至らない不動産の貸付けその他これに類する行為で相当の対価を得て継続的に行うものをいいます。
国税庁 No.4124

次に、要件を紹介します。

区分 要件
被相続人が事業を行っていた土地 ・相続の申告期限までに事業を承継かつ同時期まで継続
・同時期までその土地を保有
被相続人の同一生計親族が事業を行っていた土地 ・相続が始まるすぐ前から申告期限までその土地で事業を行っている
・申告期限までその土地を保有

限度面積は400㎡、減額割合は80%です。
例えば、土地の評価額が6,000万円、総地積が500㎡であれば、評価減される金額は3,840万円(6,000万円×400㎡/500㎡×80%)になります。
つまり、相続税の課税価格は2,160万円(6,000万円-3,840万円)になるのです。

特定同族会社事業用宅地

相続が始まる直前から申告期限まで一定の法人が事業を行っていた土地で、一定の要件を満たす被相続人の親族が相続などで取得したものです。
ただし、特定事業用宅地等で紹介した3事業を行っていた土地は除きます。

続いて、要件を見ていきます。

区分 要件
一定の法人が事業を行っていた土地 ・相続の申告期限時点でその法人の役員(清算人[法人を解散するときに清算の職務を担当する者]を除く)
・申告期限までその土地を保有

一定の法人は、相続が始まる直前の時点で、被相続人とその親族などが発行済み株式総数もしくは出資総額の過半数を有している法人です。

限度面積は400㎡、減額割合は80%です。
例えば、土地の評価額が1億円、総地積が800㎡であれば、評価減される金額は4,000万円(1億円×400㎡/800㎡×80%)になります。
つまり、相続税の課税価格は6,000万円(1億円-4,000万円)になるのです。

特定居住用宅地

相続が始まるまで被相続人などが住んでいた土地で、一定の要件を満たす被相続人の親族が相続などで取得したものです。
土地が2つ以上ある場合、適用できるのは主に住んでいたほうに限られます。

続いて、要件を見ていきましょう。

区分 取得した親族など 要件
被相続人が住んでいた土地 被相続人の配偶者 ・要件なし
その土地で被相続人と同居していた親族 ・申告期限まで居住し保有していること
上記以外の親族 ・相続が始まる前3年のうちに、自身の配偶者・3親等内の親族などが有する家に住んだことがないなどの要件を満たし申告期限までその土地を保有している
被相続人の同一生計親族が住んでいた土地 被相続人の配偶者 ・要件なし
同一生計親族 ・申告期限まで居住し保有していること

限度面積は330㎡、減額割合は80%です。
例えば、土地の評価額が5,000万円、総地積が400㎡であれば評価減額は3,300万円(5,000万円×330㎡/400㎡×80%)になります。
つまり、相続税の課税価格は1,700万円になるのです。

貸付事業用宅地

相続が始まる直前に被相続人などが特定事業用宅地で上記で紹介した3事業を行っていた土地で、一定の要件を満たす被相続人の親族が相続などで取得したものです。
ただし、相続が始まる前の3年のうちに新たに事業を始めた土地は除きます。

要件は以下になります。

区分 要件
被相続人が事業を行っていた土地 ・申告期限までに事業を承継
・同時期まで土地を保有している
被相続人の同一生計親族が事業を行っていた土地 ・相続開始前から申告期限まで事業を行っている
・申告期限までその土地を保有している

限度面積は200㎡、減額割合は50%です。
例えば、土地の評価額が8,000万円、総地積が800㎡であれば評価減額は1,000万円(8,000万円×200㎡/800㎡×50%)になります。
つまり、相続税の課税価格は7,000万円(8,000万円-1,000万円)になるのです。

小規模宅地の特例は税理士に!

いかがでしたでしょうか?今回は、小規模宅地の特例と相続税について解説しました。大きな評価減を受けられる可能性があるため積極的に活用したい特例です。
適用できるかわからない場合やどの区分に当てはまるかわからない場合は、税金の専門家である税理士に相談するとよいでしょう。

広島相続税相談テラスでは、相続税で困っている・遺産分割に悩んでいる・生前贈与を検討しているあなたをサポートします。
税理士選びにお困りなら、まずは無料相談でお気軽にご相談ください!

筆者情報

氏名:山根 謙二 (やまね けんじ)
資格:税理士(税理士登録番号92527号)
行政書士(行政書士登録番号18342346号)
相続手続カウンセラ-
専門分野:相続税、事業承継
出身:広島県廿日市市
趣味:ゴルフ、旅行(海の綺麗な所)
お客様に一言:相続の事なら何でもご相談下さい

関連記事