相続税を抑える7つの控除【未成年者控除】の条件と控除額の計算

相続税や相続のことでで悩んでいる方に向けて、未成年者控除について解説する記事です。

相続税に関することは複雑で、国税庁や税務署の解説を読んでもなかなか理解しにくいのではないでしょうか?
たとえば、未成年者が受けられる控除であれば、年齢判定はいつの時点になるのか、どのような人であれば適用の対象になるのかなどさまざまな疑問が浮かぶことでしょう。

そこで今回の記事では未成年者控除について、申告方法や適用条件、計算方法をわかりやすく解説していきます。
未成年者控除は適用範囲が広く使いやすいので、二十歳になっていない人が相続する際にはぜひ活用したい制度です。

記事の内容を読んでいただければ、控除の活用方法や計算の仕方がお分かりいただけるようになるでしょう。

相続税の未成年者控除とは

未成年者控除とは、相続した人が二十歳になっていない人であった場合に相続税が軽減される税額控除制度のことです。

所得税にも配偶者や子を扶養している際の扶養控除など、さまざまな経済的事情に配慮して税額を軽減する制度があります。

二十歳になっていない人の場合は教育費などにお金が必要になるので、相続税の税額を控除する制度により金銭的負担を減らそうという配慮に基づく制度です。
二十歳になっていない人が相続財産を受け取った場合、控除を受けて一定の負担を軽減させて取得できることを忘れないようにしてください。

特例を受けるためには要件を満たし、申告時に対応が必要となります。次に申告方法について解説します。

相続税の未成年者控除の申告方法

二十歳になっていない人がこの控除を申告するには、相続税の申告書に控除額を記載しましょう。
申告方法は、まずは控除額を計算して、算出された金額を相続税申告書第6表に記入します。

他の税額控除に比べると計算が簡単なので、ご自身だけでも算出できるのではないでしょうか。
控除を受ける際には、必ず算出した控除額を記入してから申告を行ってください。

相続税未成年者控除が適用される条件

二十歳になっていない人がこの控除で税金の軽減を受けるには、次のような条件を満たす必要があります[注1]。

【適用されるための条件】

  • 相続を受けた際に日本国内に住所があること
  • 相続を受けた際に20歳未満であること
  • 法定相続人であること

基本的には二十歳になっていない人が相続人であれば、控除を受けられることが出来るでしょう。ただし、法定相続人であることが条件となっていますので、祖父や祖母から遺贈を受けた場合は対象となりません。

「日本国内に住所があること」が条件のひとつとされていますが、国内に住んでいない場合でも次の条件を満たしていれば控除を受けられるためです[注1]。

【日本国内に住所がない場合の適用条件】

  • 日本国籍で相続開始からさかのぼって10年以内に国内に住所を有したことがある場合
  • 日本国籍で相続開始からさかのぼって10年以内に国内に住所が有したことがない場合(被相続人が外国人被相続人又は非居住者相続人である場合を除きます)
  • 日本国籍ではない人(被相続人が、外国人被相続人、非居住被相続人又は非居住外国人である場合を除きます。)

二十歳になっていない人が使える控除制度には適用条件が設けられていますが、非常に適用範囲が広いことが特徴です。未成年の方が特例の条件などを理解することは難しいと思いますので、親族の方がサポートしてあげることが重要です。

なお、胎児も死産とならず、無事に生まれた場合、相続人となりますので未成年者控除を適用することができます。

相続税未成年者控除額の計算方法

未成年者控除でいくらくらいの税額が軽減されるのでしょうか。それでは相続税の未成年者控除額を算出するための計算方法を確認していきましょう。

基本となる計算式は次のとおりです。
未成年者控除額=(20-相続時年齢)×10万円

非常にわかりやすい計算式で算出できます。
たとえば相続時に12歳だった場合は、20から12を引いた8に10万円をかけて控除額は80万円です。20歳になるまでの年数に応じて控除される額が異なるということを覚えておきましょう。

未成年者に相続させる場合の注意点

未成年者に相続させる場合、未成年者控除の適用以外にも注意点があります。

まず、気を付けたいのは財産の配分です。相続人が配偶者と未成年の子の二人の場合、法定相続分は2分の1となります。遺言書がない場合、配偶者と未成年の子で遺産分割協議を行うこととなりますが、配偶者がすべて財産を受け取る場合、未成年者は相続放棄の手続きをする必要があります。放棄の手続きは未成年者の親である配偶者はできません。

その理由は、配偶者と未成年者は利益相反関係にあるため、代理人になることはできません。利益相反関係にない第三者を特別代理人を選任する必要があります。

このように未成年者が財産を引き継ぐ場合、一般の相続よりも手続きが複雑になる可能性が生じます。法律行為ができない未成年者が法定相続人となっている場合は、遺言書を作成しておくなど、事前の対応を検討しておくとよいでしょう。

未成年者が相続を受けるなら未成年者控除を活用して

いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでいただくことで相続税の未成年者控除についてご理解いただけたと思います。

控除の中では易しく算出できますが、申告は正しく行う必要があるので、知識と実績のある、専門の税理士に相談されると間違いがないでしょう。

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[注1]参照:国税庁:No.4164 未成年者の税額控除

筆者情報

氏名:山根 謙二 (やまね けんじ)
資格:税理士(税理士登録番号92527号)
行政書士(行政書士登録番号18342346号)
相続手続カウンセラ-
専門分野:相続税、事業承継
出身:広島県廿日市市
趣味:ゴルフ、旅行(海の綺麗な所)
お客様に一言:相続の事なら何でもご相談下さい

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