相続税の申告が不要なケースと相続税0円でも申告が必要なケース

「相続が発生したけど申告が必要かわからない」「申告不要だと思うけど確証がもてない」などで悩んでいませんか。めったに経験することではないため、対処法がわからず困っている方は多いでしょう。

相続税の申告は、各相続人の課税価格の合計が基礎控除を下回っている場合、不要です。ただし、相続税の控除や特例などを受けていると、相続税が0円でも申告が必要になります。

必要な申告を怠ると、加算税を課されることなどがあるため要注意です。今回は、相続税の申告をしなくてよいケースと相続税が0円でも申告しなければならないケースを知りたいという方に向けて記事を作成しました。どのように対応すればよいかわからない方は、参考にしてください。

相続税申告が不要となるケース

相続税は、申告しなければならない場合としなくていい場合に分かれます。多くの相続は、申告が不要なケースに該当します。どのようなときに申告が不要なのでしょうか。

相続財産合計額が基礎控除額を下回る場合

課税遺産総額がマイナスの場合、相続税の申告は不要です。課税遺産総額は、各相続人の課税価格の合計から基礎控除を差し引いて求めます。

課税価格は、被相続人が所有していた本来の相続財産、被相続人が死亡したことで相続人が受け取ったみなし相続財産、相続時精算課税による贈与財産、生前贈与加算(過去3年以内の贈与財産)の合計から非課税財産と債務・葬祭費用を減じて算出します。非課税財産の代表的な例として挙げられるのが、墓地・墓石・仏壇・仏具、生命保険金・死亡退職金のうちの一定額(500万円×法定相続人の数をもとに算出)、弔慰金のうちの一定額(業務上の死亡の場合は死亡時の普通給与×36か月分、業務外の死亡の場合は死亡時の普通給与×6カ月分)です。

基礎控除は、次の計算式で求めます。

【相続税の基礎控除の計算式】

基礎控除額=3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

法定相続人が配偶者と子ども3人であれば、基礎控除額は5,400万円(3,000万円+(600万円×4人))になります。したがって、各相続人の課税価格の合計が5,400万円未満の場合、相続税の申告は不要です。

相続税が0円でも申告が必要なケース

ただし、相続税が0円でも、相続税の申告を行わなければならないケースはあります。具体的には、特例などを適用した場合は、相続税の申告が必要になります。

申請が必要な控除を受ける場合

配偶者の税額軽減を適用する場合、相続税が0円であっても申告が必要になります。配偶者の税額軽減は、被相続人の配偶者が遺産分割などで取得した遺産額が以下のいずれかの多い金額までであれば相続税はかからないとする制度です。

【配偶者の税額軽減の条件】

  • 配偶者の法定相続分
  • 1億6000万円

実際に取得した相続財産を基準に計算するため、申告期限までに分割されていない相続財産は基本的に対象外です。配偶者の税額軽減は、相続税申告書に配偶者が所得した相続財産がわかる書類と遺産分割協議書の写しを添付して提出することなどで受けられます。

特例制度の適用を受ける場合

同様に、特例制度の適用を受ける場合も相続税の申告が必要です。相続と特に関係が深い特例として小規模宅地等の評価減の特例が挙げられます。

小規模宅地等の評価減の特例は、相続人に被相続人の居住用や事業用の宅地をスムーズに引き継がせるための特例です。一定の要件を満たす宅地等は、通常の評価額から一定割合の評価減を受けられます。具体的には、特定居住用宅地等は330平方メートルを限度として80%の評価減、特定事業用宅地等と特定同族会社事業用宅地等は400平方メートルを限度として80%の評価減、貸付事業用宅地等は200平方メートルを上限として50%の評価減を受けられます。特定居住用宅地等の概要は次の通りです。

【特定居住用宅地等の概要】

  • 特定居住用宅地等:被相続人が居住の用に供していた宅地で一定の要件に該当する被相続人の親族が相続などで取得したもの
  • 特定事業用宅地等:被相続人などが事業(不動産貸付業などを除く)の用に供していた宅地等で一定の要件に該当する親族が相続などで取得したもの
  • 特定同族会社事業用宅地等:相続開始前から申告期限まで一定の法人事業の用に供されていた宅地で一定の要件に該当する親族が相続などで取得したもの
  • 貸付事業用宅地等:被相続人などの貸付事業(不動産貸付業など)の用に供されていた宅地で一定の条件に該当する親族が相続などで取得したもの

小規模宅地等の評価減の特例のほかでは、農地の納税猶予の特例、特定計画山林の特例などの適用を受ける場合も、相続税額に関わらず申告が必要になります。

申告の必要性は税理士に確認

いかがでしたでしょうか?

今回は、相続税が申告不要なケースについて解説しました。課税遺産総額がマイナスの場合は基本的に申告不要ですが、課税遺産総額の計算は複雑です。また、相続税が0円でも申告を必要とするケースもあります。必要な申告を行わないと、ペナルティとして加算税を課されます。不安を感じる方は、税理士に相談しましょう。

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筆者情報

氏名:山根 謙二 (やまね けんじ)
資格:税理士(税理士登録番号92527号)
行政書士(行政書士登録番号18342346号)
相続手続カウンセラ-
専門分野:相続税、事業承継
出身:広島県廿日市市
趣味:ゴルフ、旅行(海の綺麗な所)
お客様に一言:相続の事なら何でもご相談下さい

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