ふるさと納税と聞くと所得税と住民税の節税をイメージされる方が多いのではないでしょうか。ふるさと納税は、一定額を上限に納める税金を抑えながら、返礼品が受け取れることもあり、大変人気があります。しかし、ふるさと納税で相続税も節税することが可能です。
当記事ではふるさと納税を活用して相続税を節税する方法や利用する際の対応方法や注意点について解説します。
相続税における非課税の特例とは
相続税における非課税の特例とは相続した財産を国や地方自治体、公益に資する目的で事業を行っている特定のNPO法人などに寄付した際に寄付した金額については相続税の計算から除外して、控除することができるため、税金を減額できる制度です。非課税とすることができる財産は相続した預貯金やみなし相続財産となる、生命保険の死亡保険金や死亡退職金なども該当します。
相続税から控除できる金額は寄付した金額×相続税の税率です。例えば、相続税の税率30%で50万円を寄付した場合、15万円分税額が控除されます。非課税の特例を受けるために、税務署に相続税の申告書を提出する際に寄付をしたことの証明する寄附金受領証明書など書類を添付する必要があります。
相続した財産を寄付することで、税金の対象からは差し引いてもらえる点やお礼の品をもらえる場合もある点は、所得税や住民税が節税できるふるさと納税と同じ仕組みとなっており魅力的です。
相続税対策でふるさと納税を利用する際の注意点
寄付で相続税の節税をする際にはどのような点に注意をすればよいのでしょうか。具体的に解説します。
相続税の期限内に寄付と申告を完了させる必要がある
寄付で相続税の節税をする場合、相続人は相続税の申告期限までに、必ず寄付と相続税の申告を完了させる必要があります。相続開始後は何かと忙しく、不動産の登記や金融機関の名義変更の手続きなどあらゆる手続きを同時進行で行う必要があります。複数の団体に寄付をすることも可能ですが、寄付先の紹介や手続きをしていると時間がかかってしまい、間に合わなくなる可能性がありますので、相続開始後すぐに手続きを行って、迅速に完了させる必要があります。
遺言による寄付は対象外
遺言により、寄付先を指定し、特定の団体に寄付金を送るケースもありますが、遺言による寄付はふるさと納税の対象外となります。遺産分割をして取得した財産のみ対象となりますので注意しましょう。
換金した資金による寄付は対象外
相続財産の中には不動産や金など現物で承継するケースもありますが、受け取った資産を換金して寄付を行った場合はふるさと納税の対象外となります。現物のまま受け取ってくれる団体もありますので、寄付をする場合は財産を一覧にして、どの財産を寄付するか、寄付先と相談するようにしましょう。
財産の合計が基礎控除の範囲内の場合、利用できない
相続税は被相続人が保有していた課税対象となる財産の合計が基礎控除(3,000万円+法定相続人×600万円)以上の財産を保有していない場合、そもそも相続税がかかりませんので、寄付を活用しても節税の効果はありません。
寄付をする前に、財産の一覧を作成し、相続税のシミュレーションをして、基礎控除を超えそうかどうか確認してから寄付を行うようにしましょう。
対象外の団体に寄付をした場合、利用できない
寄付をすることで、相続税の節税となる寄付先は国や地方公共団体、特定の認定NPO法人に限られています。任意の宗教法人や団体などに寄付をしても対象外となる場合があります。寄付をすることで、節税にもつなげたい場合は、対象となる団体か事前に確認しておくようにしましょう。
相続税の疑問点は税理士に相談を
相続税の申告はは所得税の確定申告のように毎年行うものではありませんので、計算方法が分からないという方も多いでしょう。初回の相談は無料で応じてくれる税理士も多いので、相続税の計算や手続きでわからない点がある場合は、気軽に税務の専門家である税理士に相談してみるとよいでしょう。
生前に対策ができる場合は家族の負担を軽減するためにも財産の一覧を作成したり、税額のシミュレーションをしておくことをおすすめします。基礎控除を超えそうかどうかも事前に確認しておくとよいでしょう。
相続の相談は相続税に強い税理士事務所・税理士法人に相談し、サポートを受けることをおすすめします。相談に行く際は財産についてわかる資料を持っていくとスムーズです。申請を依頼する場合は費用がかかりますので依頼する前に見積もり依頼して料金を教えてもらうようにしましょう。
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