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相続税にも影響する遺産分割の方法について解説!

2023年02月06日

相続が発生すると遺された財産を分割する必要があります。遺産分割によって各人が払う税務の面にも大きな影響がありますので、注意が必要です。当記事では遺産分割の方法について解説しますのでメリットとデメリットをふまえて分割方法を決めるようにしましょう。

遺産分割の4つの方法

遺言のがあれば、遺留分を侵害していない限り遺言に従って、遺産相続を行います。そのため、相続が発生すると遺言の有無を調査します。

被相続人が遺言書を書かず死亡したケースでは、遺された家族が遺産の分割を行うことになります。

遺産分割には4つの方法があり、遺産や相続人間の関係などにより調整して遺産分割について、相続放棄をしていない全員で合意する必要があります。それぞれの対応方法について解説します。

現物分割

財産を現物のまま分割を行う方法で、通常選択される分配方法です。ただし、土地や建物等の不動産がある場合、取得する財産の金額があわない可能性があります。

民法で定められた法定相続分とは大きく異なる分け方となり、各相続人間で不公平になる場合がありますので、基本的な方法ではありますが、財産によっては簡単に分けられるわけではありません。

換価分割

換価分割とは不動産や金など、遺産分割の対象となる現物資産を全て売却し、相続する方法です。相続人間で公平な割合で財産を分割ことができますが、代々引き継いできた特定の財産を継続して保有することはできません。

財産の種類によっては換価に時間がかかる場合もありますので、換価分割を選択した場合は早めに売却活動を行う必要があります。

代償分割

代償分割は財産を不動産等の財産を相続する代わりに、多く取得した分、他の相続人にお金を支払う必要があります。価値の高い賃貸用の不動産や、路線価の高い土地にある自宅、代表者として経営している会社の株式等を保有している場合でも金銭で調整することができる有効な手段です。

ただし、現物資産を相続した相続人が、時価に相当する金額を金銭で払える範囲でないと遺産分割をすることができませんので実際には使えないこともあります。

共有分割

共有分割は不動産等の現物資産を共有で相続する方法です。公平に財産を相続することができますが、共同で保有した部分について取得後に処分や活用を巡って権利を持つ人同士の意見が合わない場合、財産の処分で揉める事例もあります。

財産によっては共有することが難しいケースもあります。また、兄弟で相続した場合でも、次の相続の時にはいとこ同士と疎遠となっており、話し合いも困難になるため、処分の方法が決定しづらくなりますので、デメリットも大きい方法です。

遺産分割が相続税に与える影響

遺産分割によって相続税は大きな影響を受けることになります。どのような影響を受けるのかもふまえて判断するようにしましょう。

特例の適用可否

配偶者控除や小規模宅地の特例で居住用や事業用の宅地を承継する場合等、相続する人が要件となって特例の利用可否が分かれる特例もあります。実際に課税価格も変わってきますので、遺産分割協議では、特例の可否もふまえて協議をするようにしましょう。

ただし、節税することを優先することで、相続人間で不公平になることがあります。配分を検討する際に関係が悪化しないように配慮することも必要です。また、特例を利用することで財産の評価額が基礎控除以下になる場合、相続税0円で申告をする必要がありますので注意が必要です。

納税資金不足に陥る可能性がある

相続税は預貯金、株式などの有価証券、不動産、生命保険など課税対象となる相続した財産の額に応じて納付する必要があります。

そのため、現物分割や代償分割を選択した場合、不動産等の現物資産など、財産の内容によっては取得した相続人が相続した財産では相続税が払い切れず、手持ちの資産で納税資金を納める必要が出てくる可能性があります。

相続税の延納を利用することで、支払い期間を延ばすことができます。その間に資産を譲渡することで、納税することも可能ですが、利子税がかかるので、負担は増えてしまいます。

物納の制度を使って、現物資産で納付することもできますが、財産によっては認められないケースもあります。相続税は基本的に現金一括納付となりますので、現金以外での納付は難しいと考えた方が良いでしょう。

相続税の申告は税理士の相談を

3,000万+法定相続人×600万の基礎控除を超える財産を保有している場合は相続税の申告が必要です。

相続税は原則相続開始10ヶ月という短い期限で申告書を作成し、様々な資料を添付して相続税の申告や納付を行う必要があります。相続発生後は不動産の登記など様々な手続きを行う必要がある為、あっという間に時間が過ぎてしまいますので、亡くなってからの対応は難しい場合もあります。提出した申告書に財産の申告漏れなどがあると税務署から指摘される可能性もあります。

被相続人があらゆる相続財産を所有していた場合、課税の対象となる財産を評価し一覧にすることにも時間がかかることもあるでしょう。自身で進めることが難しい人は最新の情報を持ち、制度に精通している税理士に相談すると安心です。

申告を依頼する場合は費用がかかりますが、費用を支払っても、特例の利用などで、それ以上に節税できる可能性もあります。

初回は無料で相談にのってくれる税理士事務所もありますので、気軽に相談することをおすすめします。

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注1]参照:国税庁:No.4158 配偶者の税額の軽減
[注2]参照:国税庁:No.4205 相続税の申告と納税
[注3]参照:国税庁:財産を相続したとき

筆者情報

氏名:山根 謙二 (やまね けんじ)

資格:税理士(税理士登録番号92527号)
   行政書士(行政書士登録番号18342346号)
   相続手続カウンセラ-

専門分野:相続税、事業承継

出身:広島県廿日市市

趣味:ゴルフ、旅行(海の綺麗な所)

お客様に一言:相続の事なら何でもご相談下さい