相続税を抑える7つの控除【配偶者控除】の適用条件と計算方法

配偶者からの相続で相続税対策を行いたいと考えている方に向け、相続税の配偶者控除について説明する記事です。

その後の生活を考えると相続は非常に助かるものですが、同時に「相続税」の心配をされる方も多いのではないでしょうか。
遺産が高額であればあるほど税率は高くなり、特に相続割合の大きい配偶者への負担が重くなります。

しかしこの控除制度を活用すれば、相続税がゼロになる可能性もあります。

そこで今回の記事では、相続税で配偶者が受けられる控除の概要や適用要件、計算式をご紹介します。
税金対策に欠かせない配偶者の控除を活用すれば、相続への不安も減らすことができるでしょう。

相続税の配偶者控除とは

相続税の配偶者控除とは、配偶者への相続時に掛かる税金を減らすことができる制度のことをいいます。

配偶者は被相続人の生活に貢献した人物であることと、被相続人が亡くなった後の配偶者の生活を保証するために設けられました。
配偶者が相続した財産が1億6,000万円もしくは法律で決められた法定相続分のどちらか多い方の金額までが非課税となります[注1]。
つまり、少なくとも1億6,000万円まで税金がかからなくなるのです。

控除を活用すれば、その節税効果は非常に大きくなるので、相続の際にはぜひ活用していきましょう。

相続税の配偶者控除の申告方法

配偶者控除を受けるためには、申告書を税務署に提出する必要があります。

この申告を行わなければ、たとえ財産を相続したのが配偶者でも控除が適用されませんので忘れないように注意が必要です。

また、この制度を利用して税額が0の場合にも必ず申告書の提出は必要です。

申告手続きは被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10ヶ月以内です[注2]。

控除を活用する際には、必ず定められた期限内に申告書を記入し、忘れずに提出するようにしてください。

相続税の配偶者控除が適用される要件

それでは、配偶者の控除が適用可能になる要件について確認しましょう。

【適用されるための要件】

  • 仮装・隠蔽された財産ではないこと
  • 民法に定められた配偶者であること
  • 税務署に申告書を提出すること

控除を利用する条件は、一般的に見てもそれほど厳しくないはずです。
遺産を仮装・隠蔽していたり、内縁関係での配偶者である場合には控除が受けられませんが、その他のケースであれば申告書の提出を行うだけで適用可能となります。

相続税の配偶者控除額の計算方法

次に控除の計算方法について説明していきます。
まずは相続した人全員の相続税の合計金額と、課税対象となる金額の合計を算出してから次のような式で計算します。

【控除額=相続税の合計金額×配偶者の相続割合】

そして、相続税の合計金額を求めるには次の計算式で基礎控除額を差し引き相続の割合でわけた後に、配偶者を含めそれぞれの税率から計算します。

【相続税課税対象となる金額=遺産合計金額-基礎控除額】

課税対象となる金額とは、遺産すべての金額から基礎控除を引いた金額のことです。
例として、遺産合計金額1億円、法定相続人が配偶者と子供2人の合計3人として計算してみましょう[注3]。

配偶者が1/2、子供2人がそれぞれ1/4ずつ相続する想定です。

基礎控除額:3,000万円+600万円×3人=4,800万円
相続税課税対象額:1億円-4,800万円(基礎控除額)=5,200万円
配偶者の相続税課税対象額:5,200万円×1/2(相続割合)=2,600万円
子供の相続税課税対象額:5,200万円×1/4(相続割合)=1,300万円
配偶者の相続税:2,600万円×15%(税率)-50万円(控除額)=340万円
子供の相続税:1,300万円×15%(税率)-50万円(控除額)=145万円/1人分
相続税の合計金額:340+145×2人分=630万円
配偶者が受ける控除額:630万円×1/2=315万円

算出されたように、配偶者が受けられる控除額は315万円となりました。

相続税の配偶者控除を活用して節税を

本記事では相続税の配偶者控除の内容や控除を受けるための要件について解説しました。
この記事を読んでいただくことで相続税の配偶者控除についてご理解いただけたと思います。
税金の計算は非常に複雑なので、税理士に相談して間違いのないように申告しましょう。

広島相続税相談テラスでは、相続税で困っている・遺産分割に悩んでいる・生前贈与を検討しているあなたをサポートします。
税理士選びにお困りなら、まずは無料相談でお気軽にご相談ください!

注1]参照:国税庁:No.4158 配偶者の税額の軽減
[注2]参照:国税庁:No.4205 相続税の申告と納税
[注3]参照:国税庁:財産を相続したとき

筆者情報

氏名:山根 謙二 (やまね けんじ)
資格:税理士(税理士登録番号92527号)
行政書士(行政書士登録番号18342346号)
相続手続カウンセラ-
専門分野:相続税、事業承継
出身:広島県廿日市市
趣味:ゴルフ、旅行(海の綺麗な所)
お客様に一言:相続の事なら何でもご相談下さい

関連記事